2020年12月05日
住宅ローン控除が22年以降に見直しへ
政府・与党は住宅ローン控除制度を2022年度にも見直すとの方針を税制改正大綱に明記する方向で調整する様です。
【見直しの主な内容】
●現行の借入残高の1%が所得税から控除される仕組みから「住宅ローン控除は借入残高の1%またはその年に支払った利息総額のうち少ない方を適用する」に見直すと言うもの。
●対象面積を現行の50㎡以上から40㎡以上に緩和し、50㎡未満の場合は1,000万円の所得制限を設けると言うもの。
控除額の変更
現行制度では、できるだけ多く住宅ローンで借り入れ、住宅ローン控除期間終了後に一括繰上げ返済すると最も得する仕組みとなっていました。
しかしながら新制度で見直しを検討している「住宅ローン控除は借入残高の1%またはその年に支払った利息総額のうち少ない方を適用する」と言う内容では所得税・住民税が支払った利息よりも多く戻ってくるケースがなくなってしまいます。
控除額変更の影響
【借入条件】 借入金額:4,000万円 借入金利:0.525% 借入年数:35年
1年目の年末残高:38,956,174円
●現行制度の場合:389,561円
●新制度案の場合:207,456円
1年目で182,105円も所得税・住民税の戻りが減ってしまいます。
対象面積の変更
現行制度では、一人世帯や二人世帯の方に需要があった1LDKなどのお部屋は50㎡以下の場合が多く、住宅ローン減税の恩恵が受けられませんでしたが、今回の新制度案ではこの㎡規制の緩和が検討されます。
対象面積変更の影響
これまでは50㎡を切ってしまうと住宅ローン控除が利用できなかった為、新築を計画する際に50㎡を超える様に設計されるケースが多くありましたが、新制度案では40㎡を超えれば住宅ローン控除が利用できる様になる為、コンパクトな間取りの販売が増える可能性があります。
また、今までは50㎡を切ってしまうお部屋は住宅ローン控除が利用できない為、販売価格を安めに設定するケースが多くありましたが、住宅ローン控除が利用できる事になれば強気な価格設定を行うケースも出てくる可能性があります。
つまり40㎡以上50㎡未満のお部屋の相場が上昇する可能性があると言う事になります。
変更に備えての考え方
上記の様に色々な影響がありそうですね。
所得税・住民税を多くお支払いになっている方などは、利息上限が付く前に住宅ローンを利用された方が節税効果は高くなります。
40㎡程度の中古マンションをご検討されている方は、現在の様に住宅ローン減税が利用できない事が前提の価格設定で購入するチャンスとも考えられます。
お客様それぞれが収められている所得税・住民税は異なりますので、上記の内容に当てはまらない方も多くいらっしゃいますので、ご注意下さい。
個別の内容によって、お考え方は異なります。
お客様の内容に沿って、どの様な形でお探しになられるのが得策かをご提案いたしますので、お気軽にご相談下さい。