Q.過去に事件・事故があった物件の場合は、事前に教えてもらえるの?事故物件のメリット・デメリットは?
事故物件。最近では映画になったりと何かと話題ですね。 特に有名なのは、事故物件をMAP上に表示した「大島てる物件公示サイト」ではないでしょうか? お客様でも確認しているよ!と言う方が結構います。自身が購入する物件は大丈夫なのか?事故物件はやはり気になりますよね。 ここでは事故物件の告知についてご説明します。
そもそも事故物件ってなに?
そもそも事故物件とはなに指すのでしょうか?
みんな大好きWikipediaによると「広義には不動産取引や賃貸借契約の対象となる土地・建物や、アパート・マンションなどのうち、その物件の本体部分もしくは共用部分のいずれかにおいて、何らかの原因で前居住者が死亡した経歴のあるものをいう。ただし、死亡原因によって事故物件と呼ばないものもあるなど、判断基準は明確に定まってはいない。」とあります。
しっかりと定義はないのです。。。
うーん。難しいですね。
現状では簡単に言うと事件・事故のあった物件になります!
そう言った事件・事故は告知をすることから告知物件とも呼ばれています。
事故物件の告知について!
国土交通省は令和3年10月に「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」を発表しました。まずはガイドラインの内容をご紹介します。
告知について①
【原則】
宅地建物取引業者は、人の死に関する事案が、取引の相手方等の判断に重要な影響を及ぼすと考えられる場合には、これを告げなければならない。
【告げなくてもよい場合】
①【賃貸借・売買取引】取引の対象不動産で発生した自然死・日常生活の中での不慮の死(転倒事故、誤嚥など)。 ※事案発覚からの経過期間の定めなし。
②【賃貸借取引】取引の対象不動産・日常生活において通常使用する必要がある集合住宅の共用部分で発生した①以外の死・特殊清掃等が行われた①の死が発生し、事案発生(特殊清掃等が行われた場合は発覚)から概ね3年間が経過した後
③【賃貸借・売買取引】取引の対象不動産の隣接住戸・日常生活において通常使用しない集合住宅の共用部分で発生した①以外の死・特殊清掃等が行われた①の死 ※事案発覚からの経過期間の定めなし。
告知について②
●告げなくてもよいとした②・③の場合でも、事件性、周知性、社会に与えた影響等が特に高い事案は告げる必要がある。
●告げなくてもよいとした①~③以外の場合は、取引の相手方等の判断に重要な影響を及ぼすと考えられる場合は、告げる必要がある。
●人の死の発覚から経過した期間や死因に関わらず、買主・借主から事案の有無について問われた場合や、社会的影響の大きさから買主・借主において把握しておくべき特段の事情があると認識した場合等は告げる必要がある。
●告げる場合は、事案の発生時期(特殊清掃等が行われた場合は発覚期)、場所、死因及び特殊清掃等が行われた場合はその旨を告げる。
<留意事項>
●亡くなった方やその遺族等の名誉及び生活の平穏に十分配慮し、これらを不当に侵害することのないようにする必要があることから、氏名、年齢、住所、家族構成や具体的な死の態様、発見状況等を告げる必要はない。
●個々の不動産取引においては、買主・借主が納得して判断したうえで取引が行われることが重要であり、宅地建物取引業者においては、トラブルの未然防止の観点から、取引に当たって、買主・借主の意向を事前に十分把握し、人の死に関する事案の存在を重要視することを認識した場合には特に慎重に対応することが望ましい。
このようにガイドラインに沿った場合、自然死などは告知の必要はないことになります。
病院で亡くなったとしても葬儀の前に一旦自宅で遺体を安置する訳ですから、自然死などはある程度、日常的にありえることとして理解されていると思います。
なので、基本的には自殺や殺人事件、不慮の事故以外の事故に関してを告知する形となります。
ただ、不動産仲介業者であれば後々のトラブルは避けたいと言う思いがあるので、自然死など告知義務がないものでも売主より確認できたものに関しては、基本的に全て話してくれると思います。
告知事項の限界!
まぁ!自然死に関しては、そこまでナイーブになられる方も少ないと思います。
自殺に関しても気にされない方は本当に気にしないですよね!
私は個人的には気にするタイプですが。。。
事件・事故の舞台となった場合であれば、比較的に情報も入手しやすいので、特段隠して告知をしない!と言うケースは少ないかと思いますが、もし事件の犯人が住んでいた部屋だとしたら、、、
なかなか分からないものです。
殺人などを犯した少年事件で、出所後にその犯人が住んだ場所なども心理的には負担になる方もいらっしゃいます。
ただ、出所後に名前を変えて生活をし、行政側も住所などを教えてはくれません。
その元受刑者が住んでいた部屋以外にもその近くに住んでいるのも怖かったりするので、非常にデリケートな問題ではあります。
あっ!ちなみにこの怖いと言うのは差別的な観点ではないですよ!
あくまでも心理的に負担に思う方もいらっしゃると言うことです。
このようなケースも知り得る限りはお伝えをしますが、必ずしも全てを把握している訳ではないので、難しい部分ではあります。
大きな事件になると変な噂も出てきて、実際には住んでいないのに●●事件の犯人は○○に住んでるらしいよ!なんてこともまことしやかにささやかれるケースもあります。
しかし、この噂話が本当にデマでこのことによって、売主もしくは貸主が契約できなかった場合、買主もしくは借主にその噂を伝えたものは「業務妨害罪」に問われる可能性もあります。
このように現状では、お部屋もしくは共用部などであった事件・事故についての知り得る範囲での告知である点であると言うことには理解が必要です。
どこの範囲まで気にするのか?
これは本当に個人の感性による部分が大きいですよね。
例えば1945年にはアメリカ軍による横浜大空襲が行なわれ1万名もの死者を出したとも言われています。
この方たちは無念の思いがなかったのかと言えば当然ながらそんなことはない訳で。
大事件ですよね!
その土地は問題がないのか?
事故物件に関してはなにを持って嫌悪感を持つのか、ある程度の自己矛盾も抱えながら自身の中で判断すると言うのがもどかしいところです。
事故物件のメリットってなにかあるの?
事故物件にもメリットはあるのか?
デメリットが先行しそうではありますがメリットもあるので、そちらをご説明します。
相場よりも安い!
購入もしくは賃貸にしろ事故物件は、相場ではなかなか決められないので、安い金額設定となる事が大概です。
この事により、気にされない方にとっては、相場より安く手に入るのでメリットとして挙げられます。
特に投資で考えた場合、安く購入することでの利回りの上昇、売却時に事故からの時間的な経過から事故物件としてのリアリティ低下による物件価値の上昇なども見込める場合があります。
判断に時間の余裕が持てる!
通常の物件であれば、多くの方が同じような条件(駅近、陽当り、利便性など)で探すので、競争率が高くなります。
しかし、事故物件になると気にしない方しか判断の土台に乗らないので、ライバルが少なく通常の物件に比べて判断までの時間に余裕を持つことができます。
事故物件のデメリットは?
ご説明するまでもないかも知れませんが、、、
代表的なものを挙げさせていただきます。
心理的な負担
事故物件であると言う心理的な負担は住み続ける、所有し続ける限り持ち続けると思います。
そう言ったストレスや、なにかあった際に事故物件のせいかも?と言った思いなども続くかも知れません。
第三者の目
ご近所さんやお子様の学校のお友達など。
近隣の方が事故物件と知っている場合、どのように思っているのか?
まったく気にしていない人が大半だとは思いますが、どうしても噂好きな人もいますから、、、
そう言った第三者の目を気にされるお客様もいらっしゃるには事実です。
売却や賃貸が難しい
賃貸でお部屋を借りている方の場合は、当てはまりませんが、購入をした場合の方にとっては出口戦略も重要です。
なにも投資で買う訳ではないかも知れませんが、将来的に売却もしくは賃貸に出すケースも有り得ます。
その場合、やはり売却や賃貸が決まるまでに通常よりも安くなり、時間的にもかかってしまう点は事前に理解しておく必要があります。
事故物件を探して安く買う!
はうすブレインでは告知事項のある物件は告知有と記載し、「こだわり」検索から検索もできます。事故物件を理解した上で、許容できる範囲内のものを選ぶのも賢い方法かも知れません。
自身にとって「良い住宅」とはなにか?しっかりと整理をすることで「良い住宅」と出会うことができます!
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